ポーク構成とは何か
オーバーウォッチ2(OW2)における「ポーク構成」とは、中距離から遠距離にかけての継続的なダメージで敵チームに圧力をかけ、戦闘を有利に進めるための戦術的構成です。この構成の核となるのは、敵を直接的に仕留めるよりも、まず敵の体力をじわじわと削り、回復リソースを消耗させたり、ポジションを崩させたりすることです。
ポーク構成の主な特徴
- 射線の管理
ポーク構成の強さは、複数の射線を確保し、敵の隙を作ることにあります。これにより、敵は常にカバーを求めて動かざるを得ず、その間に主導権を握ることができます。 - 時間をかけた戦闘
ポーク構成は瞬間火力を求めるのではなく、戦闘を長引かせることが得意です。これにより、サポート役の回復量が試され、敵チーム全体の継戦能力を削ぎます。 - 遠距離戦闘の得意さ
遠距離から攻撃が可能なヒーローを活用し、敵に近づく隙を与えません。そのため、ポーク構成は射程の短い構成に対して優位性を持ちます。
他の構成との違い
ポーク構成は「ダイブ構成」や「ラッシュ構成」と明確に異なります。
- ダイブ構成: 敵の後衛に素早く接近し、一気に仕留める攻撃的な戦術。ポーク構成にとって最大の脅威です。
- ラッシュ構成: 高火力で敵に突進し、短時間で敵を制圧する構成。これに対してポーク構成は距離を保ちながら持久戦を強要します。
ポーク構成の目的
敵にプレッシャーを与えつつ、自チームが有利な位置を取ることを目的とします。敵が焦って不利なポジションで戦わざるを得なくなるように仕向けるのが理想的なシナリオです。この戦術は、単に相手を「倒す」だけでなく、全体の試合展開をコントロールする能力を重視しています。
ポーク構成に適したヒーロー
ポーク構成を最大限に活用するには、遠距離または中距離で高いダメージを出し続けられるヒーローを選択することが重要です。ここでは、タンク、ダメージ、サポートに分けて、ポーク構成に適したヒーローを解説します。
タンク
ポーク構成のタンクは、前線でダメージを吸収する役割に加え、射線をコントロールする能力が求められます。
- シグマ
- 特徴: シグマはポーク構成の中心的なタンクです。中距離から高いダメージを出せる「ハイパースフィア」や、敵の射線を切るための「キネティックグラスプ」「エクスペリメンタル・バリア」が強力です。
- 役割: バリアで味方を守りつつ、自身も攻撃に参加できます。射程のあるアビリティを駆使して敵に持続的なプレッシャーをかけます。

- オリーサ
- 特徴: 攻撃と防御のバランスが取れており、「エネルギー・ジャベリン」で敵を足止めする能力が優秀です。
- 役割: 長時間耐久しつつ、敵の進軍を遅らせるための牽制が得意です。特に前線を押し上げるタイミングで重宝されます。

- ラマットラ(ポーク中心型)
- 特徴: 長距離攻撃が可能な「ヴォイド・アクセラレーター」を持ち、敵に継続的なダメージを与えられます。
- 役割: タンクとしての硬さに加え、距離を取った状態で戦闘を進められるのが強みです。

ダメージ
ポーク構成の核となるのはダメージロールです。敵に高圧的なダメージを与え続けるヒーローを選択します。
- ウィドウメイカー
- 特徴: 長距離射撃での高精度なヘッドショットが可能です。遠距離戦において敵のダメージディーラーやサポートを排除します。
- 役割: 敵の後衛を威圧し、動きを制限する狙撃手として活躍します。
- ハンゾー
- 特徴: 「ストームアロー」による連射攻撃が強力で、また「ソニックアロー」で敵の位置を把握できます。
- 役割: 敵を牽制するだけでなく、瞬間火力も持ち合わせています。味方のサポートにも役立つ能力が豊富です。
- アッシュ
- 特徴: ヒットスキャン武器の「ヴァイパー」により、中~長距離で安定したダメージを与えます。「ダイナマイト」で広範囲攻撃も可能です。
- 役割: 継続的なダメージを与え、敵の体力を削りつつ牽制します。「BOB」によるエリアコントロールも非常に強力です。
- ソジョーン
- 特徴: 中距離からの高い瞬間火力を誇り、「レールガン」のチャージショットでヘッドショットを狙えます。
- 役割: 遠距離で敵を削り、移動能力で安全な位置を確保しながら戦えます。
サポート
ポーク構成におけるサポートは、回復だけでなく、敵の攻撃をしのぎつつ射線に圧力をかける役割も担います。
- バティスト
- 特徴: 中距離攻撃が可能であり、「イモータリティ・フィールド」による生存能力の向上が強力です。
- 役割: 味方を安全に支えながら、自らも火力を出せるため、ポーク構成と高い相性を持ちます。
- ゼニヤッタ
- 特徴: 「不和のオーブ」による敵へのデバフと「調和のオーブ」での継続回復が強みです。
- 役割: 敵の要注意ヒーローを早期に削るための支援を行い、火力の一端を担います。
ポーク構成が効果的なマップとその理由
ポーク構成の強さを発揮するには、マップの地形や特徴を十分に理解し、それに応じた戦術を展開することが重要です。ここでは、ポーク構成が特に有効なマップの例と、その理由について詳しく解説します。
ポーク構成が有効なマップの特徴
- 射線が広がる地形
- 広い視界を確保できるマップでは、ポーク構成の遠距離攻撃が特に効果的です。射線を複数確保することで、敵が遮蔽物を使い切らざるを得なくなり、より戦況を有利に進められます。
- 高低差のあるエリア
- 高所からの射撃が容易なマップでは、ポーク構成がさらに強力になります。高所は防衛面でも優位性を持つため、敵がポーク構成に接近するのを阻止できます。
- 狭い通路の少ない構造
- 狭い通路が少なく、戦闘エリアが広いマップでは、敵がまとまったまま接近することが難しくなり、ポーク構成のプレッシャーがより効果的に働きます。
ポーク構成が効果的な具体的なマップ例
- ジャンクタウン(ハイブリッドマップ)
- 特徴: ジャンクタウンは長い直線的な視線と高所が多いため、ポーク構成に適しています。特に第1フェーズでは、ウィドウメイカーやハンゾーが遠距離から敵を圧倒できます。
- 戦術: 高所にタンクを配置し、射線を広げて敵の進行を阻止します。ソジョーンやゼニヤッタで遠距離からのプレッシャーを強化するのが効果的です。
- ルート66(エスコートマップ)
- ハバナ(エスコートマップ)
- 特徴: 広い直線的な道が特徴的で、長距離からのダメージを与えるのに最適です。特に防衛側でポーク構成が効果的です。
- 戦術: ハンゾーやソジョーンで敵を削り、バティストの火力支援を組み合わせて戦います。敵が近づく前に十分なダメージを与えることを意識します。
- ヌンバーニ(ハイブリッドマップ)
- 特徴: ヌンバーニでは高低差が明確で、特に防衛側がポーク構成を利用するのに適しています。高台からの攻撃で敵を封じ込めやすい地形です。
- 戦術: 高所を維持し、ゼニヤッタの「不和のオーブ」で敵の動きを制御します。味方タンクが高台の維持に集中することで、dpsが活躍しやすくなります。
各マップでの共通戦術

- 初期陣形の重要性
戦闘開始前に有利なポジションを確保することが鍵です。リスポーンエリアを出た後に迅速に高所を取るなど、序盤の動きが試合の流れを大きく左右します。 - 射線の調整
敵の動きを見て柔軟にポジションを変えることが必要です。攻撃側では、一度に全射線を無理に展開するより、敵の弱点となる側面を狙って攻撃することを意識しましょう。 - 敵の構成への対応
ポーク構成に有効なマップでも、敵がダイブ構成やラッシュ構成を選択した場合は、一部ヒーローの変更やポジションの再調整が必要になることがあります。
ポーク構成への対策
ポーク構成は中遠距離からの継続的なダメージでプレッシャーをかける強力な戦術ですが、適切な対策を講じればその弱点を突くことが可能です。この章では、ポーク構成に対抗するための戦術や具体的なヒーロー選択について解説します。
ポーク構成の弱点
ポーク構成の特徴は遠距離戦の強さですが、以下のような弱点があります:
- 近距離戦の苦手さ
- ポーク構成は距離を保つことでその強みを発揮するため、接近されると弱体化します。特にダイブ構成のように素早く距離を詰める戦術に対して脆弱です。
- 高い依存度のあるポジション取り
- 高所や遮蔽物を活用するポーク構成は、ポジションが崩れるとその強みを失います。
- 持久戦のリスク
- 戦闘が長引くほど有利な構成ですが、敵が速攻で試合を決定づけるような動きを取った場合、対応が難しくなることがあります。
対策1: ダイブ構成で接近する
ポーク構成の最大の弱点は接近戦です。ダイブ構成を用いて後衛にプレッシャーをかけることで、ポーク構成を崩壊させられます。
- ヒーローの選択
- 戦術
- 一斉に後衛へ突撃し、ゼニヤッタやウィドウメイカーなどの高ダメージを出すヒーローを優先的に排除します。
- 敵のポジションを分断し、孤立した敵を集中攻撃します。

対策2: 遮蔽物を利用した立ち回り
遠距離攻撃が主体のポーク構成は、射線を遮られるとダメージを与えることが困難になります。マップの遮蔽物を効果的に活用し、敵の攻撃を回避しましょう。
- 戦術のポイント
- 射線を切る動き: 遮蔽物を使い、敵に継続的にダメージを与えられないようにします。これによりポーク構成の火力を無効化できます。
- CC型アビリティの使用: キャスディの「フラッシュバン」やメイの「アイスウォール」などを使い、敵の視界を制限することで射線を遮ります。
対策3: ポーク構成が苦手とするヒーローの活用
ポーク構成に対して特に効果的なヒーローを選択することで、有利な状況を作り出せます。
- ラインハルト(ラッシュ構成向け)
- ポーク構成のダメージをバリアで無効化しながら、近距離戦に持ち込むことができます。
- 特に敵のウィドウメイカーやゼニヤッタに接近してプレッシャーをかける戦術が有効です。
- モイラ
- 敵の高台に素早くアクセスし、ダメージを与えつつサポートをこなせます。「フェード」による機動力がポーク構成への対抗手段となります。
- ソンブラ
対策4: 素早い戦闘で勝負を決める
ポーク構成は持久戦を得意とするため、試合のテンポを速めて敵が対応しきれない状況を作り出すのが有効です。
- ラッシュ構成で対応
- ソルジャー: 76やラインハルトなどのスピードを生かして敵の後衛に一気に突入します。
- 目標地点を迅速に占領し、敵が守りのポジションを取る前にプレッシャーを与えます。
6. ポーク構成の現環境での評価とまとめ
オーバーウォッチ2(OW2)の現環境において、ポーク構成はその特有のプレッシャーと持久戦能力で一定の地位を保っています。しかし、マップやメタに左右される戦術でもあり、他の構成に比べて万能ではない点もあります。この章では、ポーク構成の現状の評価と今後の展望について詳しく解説します。
現環境でのポーク構成の評価
- ポーク構成の強み
- 遠距離戦を得意とするポーク構成は、広いマップや射線が多く取れる地形でその強さを発揮します。特に、メタにおいてウィドウメイカーやソジョーンといったヒーローが評価されている現状では、ポーク構成が有効な場面も多いです。
- また、相手が防衛的な構成や短射程のヒーローを多く採用している場合、圧倒的なアドバンテージを取ることが可能です。
- ポーク構成の弱点

最新のメタにおける位置づけ
現在のメタでは、高火力を発揮するヒーロー(ソジョーン、ウィドウメイカー)や安定したサポート力を持つヒーロー(バティスト、ゼニヤッタ)が評価されているため、ポーク構成が選ばれる機会は依然として存在します。
- 競技シーンでの採用例
プロチームはポーク構成を特定のマップや状況で採用することが多く、特にエスコートマップの防衛側では優れたパフォーマンスを見せています。 - ランクマッチでの評価
ランクマッチでは、味方との連携が求められるポーク構成の運用は難しいものの、ヒーロー個々の強さを活かして一定の成果を上げられることがあります。
ポーク構成を活用する際の注意点
- 柔軟性を持たせること
- ポーク構成がうまく機能しない場合、ダイブ構成やラッシュ構成への切り替えをスムーズに行うことが重要です。
- 特にタンクやサポートが柔軟にロールを変更できると、試合展開に対応しやすくなります。
- 敵の構成を見極める
- 敵がダイブ構成や速攻型の構成を採用している場合、ポーク構成はリスクが高くなります。敵の動きを事前に把握し、ポーク構成が適しているかを見極める必要があります。
- 戦闘時間をコントロールする
- ポーク構成は持久戦を得意としますが、戦闘が長引きすぎると敵に調整されてしまうことがあります。常に相手の動きに先手を打ち、主導権を維持することが肝心です。
まとめと今後の展望
ポーク構成は、マップや構成次第では非常に強力な戦術であり、特に広いマップではその強さを発揮します。しかし、現環境では機動力の高いヒーローや速攻を仕掛ける戦術が強力なことから、ポーク構成を採用するには慎重な判断が必要です。
- 今後のアップデートで、遠距離攻撃に特化したヒーローの調整が行われた場合、ポーク構成の重要性がさらに高まる可能性があります。
- 一方で、ダイブ構成やラッシュ構成がメタの中心に戻ると、ポーク構成の運用は限定的な場面に限られるでしょう。
ポーク構成を成功させるには、チーム全員の戦術的な理解と協力が欠かせません。特定のマップや状況でポーク構成を適切に選択し、戦局を支配する能力が求められるでしょう。